5年以上?3000万円以内?マンション売却時の税金を安くできる方法。
第1回第2回と2回に分けて、マンション売却にかかる税金について説明をしていきました。

メインにかかる税金は所得税で、それに付随して住民税、場合によっては印紙税や消費税がかかることがわかりましたね。

第3回では、これらの税金、特に所得税と住民税について、ちゃんと申請すれば税金が安くなる、逆に言えばしっかり申請しないと税金が高くなる主な制度についてお話ししていきます。

やり方によっては1か月分の給料ほど差が出るところでもありますので、面倒くさがらずにしっかりと勉強してくださいね。

※この記事は2016年12月現在の法令等に基づいて作成しています。そのため、正確な税額等を知りたいときは、税務署や税理士等へ相談されることをおすすめします。

マンション売却にかかる所得税(+住民税)計算の復習

マンションの売却にかかる所得税と住民税(以下『所得税など』)は、譲渡所得が基準となることを第1回で説明しました。ちなみに譲渡所得は・・・

譲渡所得 = 売却額 - ( 購入額 + 購入&売却時の費用 )

で算出しましたよね。

たとえば、売却額:5,000万円・購入額:3,000万円、購入時の費用:350万円、売却時の費用:150万円としたときの譲渡所得は、

5,000万円 - ( 3,000万円 + 350万円 + 150万円 ) = 1,500万円

となります。

※購入時の費用が不明のときは、売却額の5%(このときは250万円)とすることもできます。

この1,500万円に税率をかけて税額を算出するのですが、このときにポイントとなるのが、『自分で住んでいたのか』、『譲渡所得は3,000万円を超えるか』、『何年間住んでいたのか』、の3点です。

『マイホーム』であれば譲渡所得の3,000万円までは税金を取られない!

税額を計算する際にまず重要なポイントは、『自分で住んでいたのかどうか』というところです。

これはマイホームであれば商売としての売買ではないため、生活に必須なものとして税金を減らすという配慮により定められている制度で、譲渡所得の3,000万円までの金額は税金を取らないとされています。

ですので、先ほどの例で言えば譲渡所得1,500万円より特別控除3,000万円の方が多いため、税金がかからないということになります。

なお、この特別控除を受けようと思ったら確定申告が必要になりますので、忘れずに申告するしましょう。

3,000万円を超えた分は、住んでいた期間で税金が変わる。

では、3,000万円を超えた譲渡所得に対してはどれくらいの税金がかかるのでしょうか。

それは『5年を超えて住んでいたかどうか』で変わってきます。

住んでいた期間 税率
5年を超える期間  20%(所得税15%+住民税5%)
5年以下  39%(所得税30%+住民税10%)

例えば、7年間住んでいたマンションを売却して4,000万円の譲渡所得が出たときの計算は、

( 4,000万円 - 3,000万円 ) × 20% = 200万円

これが4年間住んでいた場合は、
( 4,000万円 - 3,000万円 ) × 39% = 390万円

と190万円もの差が出ることとなります。

また、下記5つの要件を満たした場合は、さらに低い税率で計算することができます。

(1) 日本国内にある自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること。
 なお、以前に住んでいた家屋や敷地の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
 また、これらの家屋が災害により滅失した場合には、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
(注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の3つの要件全てに当てはまることが必要です。
イ その敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えるものであること。
ロ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
ハ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
(2) 売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること
(3) 売った年の前年及び前々年にこの特例を受けていないこと。
(4) 売った家屋や敷地についてマイホームの買換えや交換の特例など他の特例を受けていないこと。ただし、マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例は、重ねて受けることができます。
(5) 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。
 特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。
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ちょっとわかりにくいですね。ポイントとしては、

『10年以上住んでいること』
『マイホーム買い替えの特例など他の特例を使っていないこと』
『家族や親族に売却していないこと』

あたりを注意しておけば、大抵の方は要件をみたすことができるのではないでしょうか。

これらをクリアした場合、下記の税率で計算することができます。

課税長期譲渡所得金額(=A) 税額
6,000万円以下 A×10%
6,000万円超 (A-6,000万円)×15%+600万円
※参考:国税庁HP

『住んでいる期間』は、実際に住んでいる期間ではない!

ところで、税率の判定で使われる『住んでいる期間(所有期間)』は、どのような基準できまるのでしょうか。

この決め方として、覚えて欲しいポイントが2つあります。

1つ目はカウントをスタートする日(取得の日)とストップする日(譲渡の日)です。

原則としてはマンションの引渡しを受けた日が取得の日、引渡しをした日が譲渡の日となりますが、取得の日や譲渡の日を契約締結日とすることもできます。

ですので、原則どおり計算すると5年や10年にちょっと足りない・・・というときに、取得の日を契約締結日(契約書の効力が発生していることが必要)にすれば税金の節約になるのです。

2つ目は住んでいる期間(所有期間)はその年の1月1日時点でカウントすることです。

例えば、2012年5月1日が取得の日で2017年6月30日に売却した場合、実際の所有期間は5年1ヶ月ですが、税率の判定では2013年1月1日~2017年1月1日までの4年で39%の税率が適用されます。

このように、実際に住んでいた期間と税率を判定する際の期間は大きく変わる可能性がありますので、大きな利益が出そうなときは売却のタイミングは十分に注意をしてください。

まとめ

今回はマンション売却にかかる税金の計算方法を見ていきましたが、ご理解いただけたでしょうか。

これらの条件を見ると3,000万円以上の利益が出ないと所得税などの課税対象とはならないのがわかりますね。

このことから、ほとんどの方は税金を払う必要がないかと思います。

ただ、紹介した特例を利用するためには確定申告が必要になりますので、忘れずに提出をしてくださいね。

また、確定申告をすることで多くの人が当てはまるパターンである『マンション売却で損をした時』に、税金を安くしたり、支払いを後に回すことができる可能性も出てくるというオマケも。

第4回では、そんなマンション売却で損が出たとき、税金が戻ってくるお得ワザをお伝えしていきたいと思います。

マンション売却 税金➡第4回ママンション売却で損が出たとき、税金が戻ってくるお得ワザ