買い替えを伴うマンション売却は、税金を有利にする特例が使える!

第4回ではマンションの売却で損をした時に税金が安くなる仕組みについて説明しました。

自分が住んでいたマンションであれば、他の所得と通算して税金の計算をできることがわかりましたね。

しかしながら、自分で住んでいるマンションを売却するときは、新しいマンションや一戸建てを購入することが多いかと思います。

この場合、税金の計算はどうなるのでしょうか。

第5回では買い替えが伴うマンションを売却するときの税金について説明していきます。

※この記事は2016年12月現在の法令等に基づいて作成しています。そのため、正確な税額等を知りたいときは、税務署や税理士等へ相談されることをおすすめします。

マンション買い替え時の税金計算は、基本的に売却だけのときと変わらない。

マンション売却と同時に購入もした場合の税金(所得税)は、どのように計算すれば良いのでしょうか。

売却の部分に関しては、今まで説明した内容と基本的には同じ流れです。

少しおさらいしましょう。マンションを売却するときは、マンションの売却額から購入額(+取得&売却にかかった費用)を差し引いた額が譲渡所得とされ所得税の額が決まります。

また、損失が出たときは条件を満たせば給与所得など他の所得で出た税金(所得税)を減らすこともできましたね。

購入が同時に発生する場合でも、同じように計算していけばいくら税金がかかるかを出すことができます。

ただ、買い替えに関しては2つの特例があり、これらを利用すると税金の支払いを有利にすることができます。

損をした分は来年以降に繰り越せる『繰越控除』の特例がある!

1つ目は、是非押さえておきたい『マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例』という制度です。

この特例は、売却時に損が出たとき、その年に控除しきれなかった損失を翌年以後3年以内であれば繰り越して控除できるというものです。

例えば、マンションを買い替えした年に譲渡所得が400万円のマイナスになったとしましょう。(損益通算の条件も全て満たしているとします)

その年の給与所得が150万円だったとき、損失分で150万円を差し引き所得税はかからないのですが、控除しきれなかった400万円-150万円=250万円は翌年以降に繰り越すことができず、無駄となってしまいます。

ところが、この特例を使うと、250万円を3年間持ち越すことができるのです。

次の年に給与所得も150万円だったら250万円-150万円でこの年も所得税はゼロ。
さらに100万円を翌年に持ち越し。

その翌年の給与所得が160万円だったら60万円-160万円で所得100万円から所得税を計算することになります。

このように損が出た場合は税金がとても有利になる特例なのですが、これを受けるためにはもちろん様々な条件があります。

(詳しい条件についてはたくさんありますので、国税庁HPで確認をしてください)

その中でも注意する点は・・・
『自分が住んでいたマイホームで、住まなくなってから3年以内に譲渡』
『所有期間が5年以上』
『売却の翌年12月31日までに床面積50㎡以上のマイホームを取得』
『買い替え資産の住宅ローンが10年以上』
『売却先や購入先が家族や親族でないこと』
などがあります。

特に買い替えの場合は売却額を住宅ローンに充てる分短くなりやすいので、しっかりと確認してくださいね。

なお、この特例は条件により売却だけの場合でも受けることができます。もし買い替えで条件を満たせなくても、売却のみで満たせる場合がありますので、税務署や税理士に相談してみるのもおススメです。

マンション買い替えで利益が出ても、すぐに税金を払わなくて良い!
1つ目はマンション売却で損が出たときの特例でしたが、2つ目はもし利益が出たときの特例になります。
例えば、1,000万円で購入したマンションを5,000万円で売却し、4,000万円の利益が出たとしましょう。
この場合、その年の譲渡所得は4,000万円となりますが、買い替えを伴っている場合、これを後に持ち越すことができるのです。(その年の譲渡所得は0円となります)
そして買い換えたマンションを売却したとき、持ち越した譲渡所得をまとめて計算することとなります。
その後、買い換えたマンションが7,000万円、売却時に8,000万円で譲渡したとしましょう。
この売却した年に買い換えたマンションの利益1,000万円と、持ち越していた利益4,000万円を合わせた5,000万円がこの年の譲渡所得となります。
ですので、1つ目の『税金が減る』のではなく、『税金の支払いを遅らせる』と言う点で注意が必要です。

また、この特例を受けるための条件も設けられていますが、それらはかなり細かいものとなります。

国税庁のHPに掲載されていますが、専門的な判断が必要なものもありますので、利益が出そうな場合は税務署や税理士等に相談されたほうがいいでしょう。

まとめ

今回の記事で重要なポイントは以下の通りです。

・買い替えで出た損失は、売却だけと同様他の所得と合わせて計算できる

・買い替えで出た損失は、翌年以降3年間も他の所得と合わせて計算できる

・もし利益が出た場合でも、次のマンションを売却するまで税金を持ち越せる

ほとんどの方はマンション売却の金額が少ないと思います。また数年間に渡って所得税を減らせるのは数十万円単位での節約になりますので、是非活用しましょう!

第6回と第7回では今まで勉強したことのまとめとして、実際に売却や買い替えをしたと想定したシミュレーションをしていきます。

マンション売却 税金|➡第6回と第7回:実際に売却や買い替えをしたと想定したシミュレーション