第7回まではマンションの売却に関わる税金の計算方法と、税金が安くなったり、支払いを後に回せる特例などを説明してきました。

ところで、この計算や手続き、どうやって行えばいいのでしょうか。

税理士がしてくれる?国や市町村が勝手に把握して勝手に手続きしている?仲介業者がサービスでしてくれる?

正解は、原則として『自分で国(や自治体)に申告する』で、その申告方法が『確定申告』なのです。

ですので、しっかりと申告していない場合、損失が出ていたなら税金を安くすることもできませんし、利益が出ていたなら後でわかった場合、追加で税金を取られることもあるのです。

そうならないためにも、マンションの売却(購入時もですが)をした年にかかる分は必ず確定申告をするようにしましょう。

でも、めったにやらないものについてはどのようなことをすればいいのかわからないもの。

第8回の記事ではそんな確定申告の内容を、第9回と10回では確定申告書の書き方や添付書類の解説をしていきます。

※下記の内容は2016年12月末時点のものです。法令等の変更により書き方などが変わっている可能性もありますので、必ず国税庁HPや税理士等の専門家への確認をしてください。

確定申告は元々何のためにある?

そもそも確定申告は、その年の所得(収入から経費を引いたもの)がこれくらいですよと国や市町村へお知らせするためにするものです。

この結果を基に所得税と住民税が決まり、期限までに納めるという流れになります。

基本的に収入がある人全員が対象なのですが、雇われて働いている人は会社で計算・お知らせをしてもらえるため(いわゆる年末調整)、確定申告をしなくてもいいことになっています。

なぜマンションを売却したら確定申告が必要?

ところが、会社の対応できる範囲は『会社の所得』のため、会社以外の所得、マンションの売却に関することは自分で計算・申告しなければならないのです。

よく考えたら、マンションの売却にかかる税金の計算は非常に複雑で、マンションの所有状況や住宅ローンなど個人の経済環境によってその金額が大きく変わります。

それらを会社が把握することは困難で、また経理担当者も専門外のため十分な対応はできないことが想定されます。

また、法律でも『給料以外の収入が年間20万円以上あれば、確定申告をしてください』と決められています。

これらのことから、マンション売却にかかる税金は会社に任せることはできず、確定申告をしなければならいのです。

なお、年末調整を会社でしてもらった後でも、確定申告をすることが可能です。この際は年明けに会社からもらう源泉徴収票が必要になりますので、必ず大事に保管しておきましょう。

もし確定申告をしなければどうなる?

では、もし確定申告をしなかったらどうなるでしょうか。

結論から言うと、税金の負担が大きくなったり、本来受けられるはずだった税金の軽減が受けられなくなるリスクが出てきます。

例えば、3,000万円でマンションを2,000万円で売却し確定申告をしなかったとしましょう。

この場合1,000万円(と購入・売却にかかった費用)が損失になりますが、確定申告をしていないと、その損失を国や自治体が把握できないことになります。

ということは損失がなかったことになってしまい、損失を給与所得や翌年以降の所得に合算することができず、本来軽減されるはずだった税金を負担しなければいけないこととなります。

また、なんらかの形で国や自治体がマンションの購入したことを把握した場合、申告漏れとしてペナルティの税金(延滞税)を取られる恐れがあります。

さらに、税金計算の基準となる所得(譲渡所得)もあちら側で勝手に計算され、本来の税額より負担が大きくなることも十分に考えられます。

ですので、状況に関わらず、マンションを売却したら必ず確定申告をするように心がけましょう。

確定申告はどうすればできる?

大まかな流れとしては、申告書を税務署から入手し、必要事項を記入。それに収入や経費の証明をする書類を添付し、税務署へ持参か郵送をすれば完了となります。(現在はe-TAXというweb上で申告できるサービスもあります)

確定申告は毎年2月16日~3月15日の間にしか受付していませんので、必ず期限を守るようにしましょう。

ただ、必要な書類や申告書はそれ以前(大体年が明けてから)に準備することができますので、事前にそろえておくと良いでしょう。具体的な内容や入手方法は第8回で解説していきます。

まとめ

・確定申告は所得税と住民税の金額を決めるために行っている。

・普段は会社でしてくれる(年末調整)が、マンションを売却したら自分でする。

・確定申告をしなかった場合、税金を余計に負担する可能性が高い。

・確定申告は2月16日~3月15日までだが、早めの準備を。

確定申告の大まかなイメージはできたでしょうか?

第9回では確定申告に必要な書類や、書き方について解説していきます。

➡第9回:確定申告に必要な書類や、書き方について解説